「一級魔法使い試験」第一次試験の組分けを考える
魔法都市オイサーストで行われた「一級魔法使い試験」。その第一次試験では、参加者が魔法の腕輪で組分けされ、3人1組にされました。
第一次試験の通過条件は「隕鉄鳥(シュティレ)を捕獲すること」「パーティ全員が揃っていること」です。試験官のゲナウいわく、この第一次試験は最終的には「対人戦」を想定しているそうです。
- 隕鉄鳥(シュティレ)を捕獲すること
- パーティ全員が揃っていること
今回は各パーティの組合わせを分析してみました。
詳しく描かれている、通過6グループのみで考えたいと思います。通過パーティとメンバーの一覧は最後に掲載しています。
ランダムか意図的か
まずはこの組合せがランダムなのか、それとも意図的なのかを考えたいと思います。
結論としては「意図的」な組合せだと考えます。
「一級魔法使い試験」は五級以上の魔法使いが受験でき、五級以上の人数は約600名とされています。今回の受験総数は57名なので、約1割が挑戦していることが分かります。
ランダムにしてしまうと、グループ間のレベルの差が開きすぎる可能性があるからです。
今回の試験は「魔物」も出没し、実質的には「対人戦」になるので、組合せの段階で五級ばかりのメンバーになると、無駄に死者が増えそうです。
また限られた二級・三級の受験者が試験を通じて実力を発揮し、レベルアップにつながる経験をさせるためにも、効率的な組合せをする必要があると思います。
「条件」を設定した意図的な組合せ?
もちろん魔法使いの行うことなので、何らかの「条件」を設定して組合せを行う魔法を腕輪に込めたのだと思います。
その「条件」はどんなものでしょうか?
組合せの「条件」を考える
パーティをまとめられる人物がいる
参加者はどれも個性的ですが、各パーティ内で自然とメンバーをまとめられる人物が出てきています。
話し合ったり説明したり説得したり、通過したパーティはまとまりも良いです。
性格や魔法の相性が良い
全体を見ると、性格や魔法の相性を考えて組合わせていると感じます。
ラヴィーネとカンネが良い例で、ふたりは魔法の相性も良く、長年一緒にいたので連携もとれています。
また各パーティのメンバーは、試験期間を通じて仲良くなっているのが分かる描写が多いです。
有望な受験生は別パーティにする
集合したときに、デンケン・ヴィアベル・フェルンは「有望そう」という評価を受けています。フリーレンも注目されていました。
これら4人は見事にバラバラのグループになっています。
格下を「魔物」などから守ることのできる人物を配置して無駄に死者を増やさないためと、有望人物の道連れでの不合格の可能性を減らすためだと考えられます。
第4パーティだけは特殊
第4パーティだけはメンバーが特殊です。完全に意図的に組み合わせていると考えられます。
ラント・ユーベル・フェルン
ラントはおそらく本体でないことを見抜かれているはずです。試験官としては分身魔法の出来栄えや実力を認めつつも、「なぜ分身で参加?」と不審に思っていたはずです。
ユーベルは試験官たちの間では「危険人物」として認識されているはずです。もしかしたら試験中に殺戮行為を始めたり、試験を滅茶苦茶にしてしまう可能性も考えたと思います。
残るフェルンは三級魔法使い試験を「史上最年少、主席」で合格した逸材です。おそらく合格候補にあがっています。
「危険人物」ユーベル
試験官としては、ユーベルの組合せをどうするかが一番の悩みだったと思います。
そこで、グループ内で何かあっても分身で安全に対処でき、魔法使いとしても格上のラントを組合せることにしたのだと考えます。
残る一人には、まだ若く、もし今回落ちたとしてもまだまだ次があるフェルンを選んだのではないでしょうか。
ラントやユーベルと揉め事を起こしそうな雰囲気もありませんし、もしグループ内外で戦闘になった場合でも、十分ラントやユーベルを抑えられる実力だと考えたのかもしれません。
ちょっと非情ですけれども、ゲナウが試験官なのであり得そうです。
まとめ
「一級魔法使い試験」第一次試験のパーティの組合せは、ランダムではなく意図的だったと考えます。
- パーティをまとめられる人物がいること
- 性格や魔法の相性が良いこと
- 合格有望な人物は別々のパーティにすること
という条件で組み合わされたと考えられます。
また第4パーティだけは特殊で、「危険人物」と思われているユーベルとなぜか分身で参加しているラントを一緒にし、非常時には、今回落ちてもまだまだ次がある若く実力も高いフェルンに対応を任せることにした、と推測できます
資料:通過パーティとメンバー一覧
第一次試験は、全19パーティ・57名中、計6パーティ・18名が通過しました。通過パーティとメンバーは以下のとおりです。
第1パーティ
- メトーデ
- トーン
- レンゲ
メトーデが「一級魔法使い」に昇格。トーンとレンゲは第二次試験で脱落しました。
第2パーティ
- フリーレン(聖杖の証)
- ラヴィーネ(三級魔法使い)
- カンネ(三級魔法使い)
このパーティからは「一級魔法使い」は出ませんでした。ラヴィーネが第二次試験で脱落、フリーレンとカンネは第三次試験で不合格となりました。
第4パーティ
- ラント(二級魔法使い)
- ユーベル(三級魔法使い)
- フェルン(三級魔法使い)
このパーティは全員が「一級魔法使い」に昇格しました。
第8パーティ
- ヴィアベル(二級魔法使い)
- エーレ(二級魔法使い)
- シャルフ(三級魔法使い)
ヴィアベルが「一級魔法使い」に昇格。エーレとシャルフは第三次試験で不合格となってしまいました。
第13パーティ
- デンケン(二級魔法使い)
- ラオフェン(三級魔法使い)
- リヒター(二級魔法使い)
デンケンが「一級魔法使い」に昇格。リヒターは第二次試験で脱落、ラオフェンは第三次試験で不合格となってしまいました。
第17パーティ
- エーデル(二級魔法使い)
- ブライ
- ドゥンスト
このパーティからは「一級魔法使い」は出ませんでした。エーデルとブライは第二次試験で脱落。ドゥンストは第三次試験で不合格となりました。