研究・考察
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「蒼月草(そうげつそう)」とは何?モデルは?

藤村咲妃
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 『葬送のフリーレン』は色の描写が素晴らしいですが、そのなかでも印象に残る青い花「蒼月草(そうげつそう)」。

 「蒼月草(そうげつそう)」は勇者ヒンメルの故郷に咲いていた花です。

 かつては中央諸国ターク地方にも群生地がありましたが、絶滅してしまい、ここ数十年は大陸での目撃例がないとされています。

 作中(第3話「蒼月草」)では半年かけてフリーレンたちが探し当て、勇者ヒンメル像のまわりに蒼月草の花畑をつくりあげました。

「蒼月草」のモデルを調査

作中での「蒼月草」の見た目は、次のようなイラストになっています。

 画像引用元:『葬送のフリーレン』第3巻「蒼月草」(p.90-5コマ目)

 蒼月草は、ひとつの茎にひとつの花、細長い葉が根元近くから2枚伸びています。

 各シーンの絵などからみると、花の大きさはそれほど大きくなさそう。

植物学的な特徴は「双子葉類」

 生物学的な特徴をみると、葉脈は網目状に近く、根には主根と側根があります。

 これらから、双子葉類になるのかなと思います。

見た目が似ている花

 「蒼月草」の花は青い色をしており、花弁の形状や重なり具合なども「ネモフィラ(瑠璃唐草)」に似ています。

 ネモフィラは真正双子葉類に分類されてもいます。

 しかし「蒼月草」の葉は細長い形状なので、「ネモフィラ」の葉とは形もつき方も違います。

ネモフィラ。

 「蒼月草」の葉の形はチューリップなどに近いですが、葉のつき方や花の色・形・つき方が合うものが見つからず、これといった候補を選ぶことが難しかったです。なお、チューリップは単子葉類です。

「蒼月草」という名称から

 古来から日本には「月草」と呼ばれる青い花があります。「露草(ツユクサ)」とも呼ばれ、こちらの名前の方がなじみがあるかもしれません。

 「ツユクサ」には薬効もあり、民間薬として用いられることもあります。

「ツユクサ」の形状

 「蒼月草」と「ツユクサ」では、花の形は違いますが、葉の形だけみると少し近いように思います。

 ただ、葉のつき方は、作中の絵とはまったく違いますし、ツユクサは単子葉類になります。

ツユクサ。

「ネモフィラ」と「ツユクサ」がモデル?

 花の形や色はかなり「ネモフィラ」に近く、モデルといっても過言ではなさそう。

 「蒼月草」という名称から、「ツユクサ」もモデルに入っていると考えてもいいんじゃないかと思います。

 よって、主に「ネモフィラ」をモデルとし、「ツユクサ」の異名である「月草」も考慮しつつ、「蒼月草」が生まれたのではないかと考えます。

「ネモフィラ」の花言葉

 花色によって違いがありますが、ネモフィラ全体の花言葉は「どこでも成功」「可憐」「あなたを許す」です。

「ネモフィラ」のギリシャ神話

 ギリシア神話では、この花はネモフィラという美しい少女が花となった姿とされています。

 ネモフィラに恋をした男性が「彼女と結婚できるなら死んでもかまわない」と神に祈り、結婚後に本当に亡くなってしまいました。

 そして、亡くなった夫を偲んでネモフィラが泣き続けている姿を憐れに思った神が、ネモフィラを花の姿へと変えたのだそうです。

「ツユクサ」の花言葉

 ツユクサの花言葉は「尊敬」「なつかしい関係」。

 朝に花が咲き昼にはしぼんでしまう性質から、「恋の心変わり」「密かな恋」などもあります。

まとめ

 花の色や形状から「ネモフィラ」をモデルとし、「ツユクサ」の異名である「月草」も考慮しつつ、「蒼月草」が生まれたのではないかと考えます。

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